チャプター2 環境問題


•温室効果ガス:温暖化とは、大気中に二酸化炭素やメタンフロンガスなどの温室効果ガスが増加し、 平均温度が長期的に上昇する現象
•気候変動に関する政府間パネル (IPCC)
P16
•地球の表面積の約 29%が陸地、 そのうち森林が占める面積は31%
P17
・国際連合食糧農業機関(FAO) の世界森林資源評価 2015 によると 2015年の世界の森林面積は40億ha。
•世界森林白書 2016 では熱帯地域でおこっている近年の森林減少の約8割が農地への転用が起因
日本は世界有数の森林国で、 国土の約65.5%にあたる2510万ha の森林 が占めている。これは約 72.9のフィンランド、 68.7%のスウェーデンに続 いて世界第3位となる。
P19
収集運搬:排出された場所から処理する場所へ運ぶ
中間処理:大きな廃棄物は小さく、 有害な廃棄物は無害化処理を行う
最終処分:埋め立てなど
循環型社会形成推進法:2000年12月6日に制定
P21
3R から 4R 5R へ
廃棄物の発生抑制 Reduse
使用済みの製品などの適正な再利用 Reuse
最終的な資源再生 Recycle
洗礼された Refinement
不必要なものを買わない Refuse
P22
世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する世界遺産条約
世界遺産:遺産や景観、自然などで顕著で普遍的価値をもつものとしてユネスコのリストに登録されたもの

P24
伝統的建造物群保存地区(伝建地区) :古民家の街並みが残る場所 重要伝統的構造物群保存地区は98 市町村 118 地区 合計約28000 件の伝統的構造物および環境物件が保護されている
重要伝統的構造物群保存地区選定基準:全体として意匠的に優秀なもの、 地割がよく旧態を保持しているもの 周囲の環境が地域的特色を顕著に示しているもの
重要文化財:日本にある建造物、 美術工芸品、 考古資料、 歴史資料などの 有形文化財のうち、歴史上芸術上の価値の高いもの、または学術的に価値の高いものとして文部科学大臣が指定した文化財重要文化財の構造物は国宝389棟(226件) 重要文化財 5033棟 (2497件)指定
有形文化財:建造物や美術工芸品などが 「文化財保護法2条第1項第1号」
に基づき規定
重要文化財:文部科学大臣が文化財保護法 「文化財保護法第27条第1項」 に基づいて規定
国宝:文部科学大臣が 「文化財保護法27条第2項」 に基づき規定
県指定重要文化財:都道府県が文化財保護条例に基づき規定
市指定重要文化財:市町村が文化財保護法に基づき規定
登録有形文化財:保存と活用が重要なものを文化財保護法第57条
P33
持続可能な社会の実現:低酸素循環型のシステムの構築、 地域の集約化 (衣食住の近接) コンパクトシティ化の促進
安全と安心の確保の観点:災害に強い住宅地域づくり、社会資本の的確 な維持管理・更新
経済活性化:民間公益活動の促進の活用
地方移転強化税制 : 地方の本社機能を強化したり、大都市圏から地方へ本
社機能を移転した場合に大きな優遇制度を受けられる。
カーボンニュートラル:環境中の炭素循環量に対して中立
カーボンフィグゼイション:木材などを焼却せずにそのまま利用すること

チャプター3 古民家の定義

P 39
登録集計文化財制度: 築50年以上、 木造軸組構造 伝統工法・在来工法の
住宅
民家 :一般庶民が住まう建物
民屋: 支配階級の住まい
古民家:農家 漁家 商家・町家 侍屋敷の中で年代の古いもの
伝統工法:建築後50年経過した建物で、かつ骨組みに木材を使用した木造軸組工法
在来工法:建築基準法制定後に一般的に建築される
※寺社仏閣や校倉 (あぜくら) 造り、 輸入住宅は古民家に含まない
木造軸組構法:柱や梁などの骨組みに木材を使用→50年経過すれば古民家となる
木造枠組壁工法:ツーバイフォー工法、 地震に強い、 構造材が濡れる可能 性あり、安定した品質、間取りの自由度が低い
プレハブ工法:工場で生産されて現地で組み立てる。 柱や梁などの構造体 が 6mm 以下の鋼材、 短工期、 自由度が低い、 建てた会社以外からはメン テナンスができない
重量鉄骨造:6mm 以上の鉄骨、 断熱に関して不利、 柱や梁で骨組みを作る ことをラーメン構造という、コストはかかるが、 自由度は高い
鉄筋コンクリート造:耐震性、耐久性に優れている。 施工によりばらつき が出やすい 壁構造であれば自由度が低いがラーメン構造であれば自由度 が高い
P47
在来工法:コンクリート製の布基礎に土台が緊結されているため柱と横架 材(おうかざい) の軸組には斜材である筋交いや火打が変形を抑える目的 で使用される。 耐震は壁量計算が使われる。
伝統工法:玉石や長石などの礎石に柱が立てられ、 横架材に関しても在来工法より大きい。 梁以外に足固めや差し鴨居も構造材として使用

????:地震発生時には免震と制震の中間の性質を持っており、免震的構造となる。
:活かして、地震の際に外力からの変形に対して構造自体が復元力を発揮
総持ち:木と木と接点の摩擦や、木材へのめり込み本来木材が持つ粘りをて抵抗する考え方。 別名: 貫工法
再利用視点での伝統工法:部材に希少性がある。 継手よる接合のため、傷 が少なく端部まで使用可能。 長期間乾燥させているため、くるいが少なく、 強度も高い。軸組が露出しているため部材の状態がわかりやすい。 再利用の実績が豊富
在来工法=耐震的 (剛構造)、 伝統構法=免震的 (柔構造)

P50 在来工法
新耐震基準:1981年以降に建築されたもの
通し柱:家のコーナの柱に使用する 1本の長い木
羽子板ボルト:梁や柱などの接合部に使用
 特徴: コンクリート布基礎、アンカーボルト、 筋交い、 火打


・在来工法の特徴
伝統構法に比べ小径材、 柱と梁の接合部などに金物が使われる
柱は105角や120角が多い
筋交いや火打などの材料が使われる
柱の下に土台が引かれている
基礎と土台がアンカーボルトで固定されている。
建物外周面の壁にはコンクリート製の布基礎が敷設されている。
建築確認申請書などの書類が残っている可能性ある
内外の壁は大壁が多く、乾式工法で仕上げられることが多い
軒先の組み方は京呂組みで組まれることが多い

・伝統構法特徴: 渡顎、甲乙縛り、折り置き組、台持ち継ぎ、登り梁構造体には大断面の部材が使われる柱は120角以上の大きなものが使われる柱間に貫が通される

差し鴨居など横架材も大きな部材が多く、幾重にも横架材が組まれる小屋組みが登り張りや甲乙組で組まれるか合掌造りで造られる棟木の下に平行に牛梁りと呼ばれる地棟が入ることが多い 敷土台や足固めが使われる。コンクリート製の基礎がなく、 外壁面の基礎が石場建である柱や足固めの下に長石などが使われる筋交い、火打ちなどの斜材がない外内の壁は土壁漆喰仕上げなどの真壁構造の左官壁である軒先の組み方は折り置き組で組まれることが多い

P54 免震的構造と耐震的構造
伝統工法:締め固めた地面に石を置き、その上に柱を建てる。 壁は柱と柱 を通しで繋ぎ、 小舞に土壁を塗る。 地震などで外力が加わった場合、 土 壁が壊れることで外力を吸収し、 木組みだけで固められた構造体はしなり、 土の上に乗せた瓦が落下することで建物の復元力を助ける。 強い力が加わ り、柱が石から外れたとしても構造体は壊れない

P56 構造や間取りの考え方

季節気密性主役尊重するもの
在来工法冬は暖かく、夏は涼しい高い家族や個人個人主義
伝統構法夏は涼しい低いお客様家長主義

P60 住まいの歴史
竪穴式住居~掘立て柱建物~総柱型建物
P67 町家住宅
街道に対して平入りの建物が多く、中世は切妻屋根が多かったが、江戸時 代初期からは厨子二階 (つしにかい) に隣家との境界に袖卯建(そでうだつ) を上げた形式が標準化。
出桁造り くだしげたづくり> せがい造:軒を大きく前面に張り出した形式平屋大壁構造: 筋交いを壁

厨子二階:2階の天井が低く、虫籠窓がある

総二階:2階の天井が1階並みにあり、木枠にガラス窓が一般的
看板建築:町家の表面を近代的に改装したもの

擬洋風建築:西洋風の建築を日本の職人が見よう見まねで建てたもの 洋風建築 神戸では幕末から明治にかけて建てられたものを 「異人館」、 大 正から戦前までの建物を 「洋館」 と区別
帝冠様式:和洋折衷の建築様式、 鉄筋コンクリート造に様式建築に和風の 屋根をかけたデザイン
仕舞屋:住居用の町家、 店を仕舞ったから
大塀造り (高塀づくり):建物が直接道には接しておらず、表通りに塀をめ ぐらして玄関先に庭、 その奥に家屋を配した屋敷

P72 武家屋敷
武家屋敷は書院造りの形式であり、儀式の場としての対面所がある。 下級武士は数寄屋へと発展屋敷 = 邸宅となり、 武家屋敷、 庄屋の邸宅を庄屋屋敷という
大名屋敷:大名が居住する屋敷を上屋敷、 郊外の別邸は下屋敷という
江戸屋敷:江戸城周辺に幕府が土地を与えて構えさせた大名屋敷
旗本屋敷:直参旗本の屋敷
陣屋: 3万石以下の城を持たない大名屋敷
戦国時代までの武士は平時に農業に従事しておりこの時代の屋敷は、東日本は名手屋敷、西日本では庄屋屋敷あるいは代官屋敷侍屋敷 身分が低い中級下級の武士が住んだ家

P75 構造の変遷
柱の上部に頭貫 (かしらぬき?) とよばれる横木を通していたが、その後 長押(なげし) を柱の高い部分に取り付け補強し、頭貫と長押の両方で柱 をつなげるようになった。壁や床が作られると貫を一定の間隔で通し、足元にも足固めといわれる貫が用いられる
間仕切り:空間を仕切るもの
真壁構造:柱と柱の間に壁を作る

大壁構造:筋交いを壁の中に入れるため柱の見えない構造
結:無償で労力や資金を提供する地域扶助の精神
惣村:経済的階層や家柄による家格などが生まれ、 村社会秩序のための青年組織

P81 フローからストックへ
スクラップアンドビルド:老朽化して非効率な工場設備や行政機構を廃棄。 廃止して新しい生産施設 行政機構に置き換えることにより、効率化など を実現すること。
ストック型社会:いいものをつくって、きちんと手入れして、長く大切に 使う
住宅のサイクル年数:日本30年、アメリカ: 103年、 イギリス:141年
滅失建物:日本 26年、アメリカ44年、 イギリス75年
住宅への投資周期:日本 23 年、 アメリカ 38年、 イギリス73年

日本の住宅が短命になった理由
和風の減衰、家具の増大、 家電製品が普及し住戸面積の増大、 設備水準の 向上、 情報関連設備の普及によるコスト増大、 ライフサイクルに合わせた 間取りの変更ができない、 建築基準法の改正、 法律にストックをどうする かの基準なし

P91 デイリーの3原則
再生可能な資源は供給源の再生速度を超えることなく利用する。再生不可能な資源の利用の速度は再生可能な資源に転換する速度を超え ないように利用する染物質の排出速度は環境がそうした汚染物質を循環し、吸収し、無害化 できる速度をこえないようにしなければならない。
P92 古民家の持続可能性
根継ぎ:腐った地面に近い部分を補修する技術

P96 左官と右官
湿式工事:土壁や石灰などを使った漆喰など水を加えて塗る工法
匠師:現代の棟梁にあたる。 設計士、 現場監督であり最高技術者

P98 書院と数寄屋
書院造りの特徴:床の間、 床柱、違い棚、付け書院 (勉強机)
数寄屋造り:数寄屋と呼ばれる茶屋を取り入れた和風のシンプルな住宅
茶屋 : 4畳半を基準にそれ以上を広間、それ以下を小間あるいは草庵風茶室

水屋:茶の湯のために茶道具を整える場所
にじり口(茶道口): 小間茶室の客の入り口
炉:炉を切る位置は使用目的や間取りによって異なる。 入炉は点前する畳の中に炉を切ってある。 出炉は点前畳に接する畳に切った炉

チャプター4 伝統構法の各部位


P104
石場建て構法:自然石の上に柱を建てる方法
光付け:自然石には凹凸があるので、柱の端部を自然石の形に合わせる技術
ぶんまわし: 石の形を柱に写し取り、加工を行う方法
礎石造り:建物の基礎に石を使う、 自然石のことを礎石
長は刺しと車知栓:足固めに使用する礎石の少し上に柱間を通してつなぎ、接合部の部分
P105 三和土 (たたき)
三和土:赤土に石灰とにがりを混ぜてたたき固められたもの
P107 庭
坪庭:お客様をもてなすように座敷から眺めるための庭
通り庭:風の通り道である土間
回遊式庭園:川や池と山を築き、 自由に園内を回遊して楽しむ。
枯山水:石庭などの水を使わずに石や砂で山水の風景を表現する
池泉回遊式庭園:大きな池を中心にその周囲に築山や園路を巡らしたもの
平庭:築山を築かない平坦な庭

借景:自然に近い庭や自然の山々など敷地の外の風景も取り込んだ庭
縮景:各地の名所の景色を縮小する庭
P109
坪庭:町家の特徴であり、 採光と通風の目的で作られる。 建物で囲まれた空間にあるもの
庭園:規模が大きく外部に面した敷地に配置されるもの
通り庭:建物の表から裏口まで続く土間のこと (屋根がある部分)。 表側の 庭園と流しがあるプライベートな空間の走り庭とにわかれ、走り庭は吹き抜けで梁が見える。 京都以外では通り土間という。
前庭:坪庭以外で古民家の前に設けられる庭
露地 (茶庭):茶室に通ずる庭
P111 玄関

中門廊:平安自体の玄関の全身であったもの。前に入る入り口

真行草(しんぎょうそう):角材や柾目をつかったものが格式高い
表玄関:公式行事や接客に使用される玄関

内玄関:家族が使用するもの
敷き瓦:平瓦を45度傾けて敷く四半敷き
玄関土間は踏込みとよばれ上がり框(かまち)より上を「次」または「書 付き」と呼ぶ。上がり框は農家住宅では「上がり(はな)」や「小緑(こ えん)」と呼ばれる。 踏込みには沓脱石(クツヌギイシ)が置かれる。上が りの代わりに地板と呼ばれる一枚板で納める場合もある。
車寄せ:玄関外部に張り出した2本の柱で妻を正面に向けた神社の向拝と 同様の唐風屋根の部分

P113 庭の構造物
雨落ち:古民家には樋がなくそのまま落ちるところ

灯篭:照明道具。 上にのる玉ねぎ形状を宝珠、 灯篭が入る部分で主役の火袋、 火袋の屋根になる笠、 最下部の基礎と対照的な形をとる中台、 最も長 い柱の竿、 最下部の基礎で構成。

竹垣:背景が見える光悦寺垣(こうえつじがき)、 目隠しに使う建仁寺垣(け んにんじがき) がある。

敷石:複雑に石を短冊状に並べたもの飛石 離れて設置されたもの
蹲 (つくばい):庭の添付物の一つで露地に設置される。 手を清めるために 置かれた背の低い手水鉢 (じょうずばち) に役石をおいて趣を加えたもの。

鹿威し:農作物に被害を与える鳥獣を威嚇し、 追い払うためにかかしや鳴子などともに設けられる添水 (そうず)

P117 門と塀
冠木門:門柱に貫をかけたもの。 平門で屋根を持たない。

腕木門:柱に棟木 (むなぎ) を掛け、 門柱に腕木を貫き出桁をかけた切妻屋根の門

高麗門:切妻屋根を持ち、控え柱に小屋根を設けたもの

門 (むねかど) : 門柱2本で控え柱を持たない切妻屋根の門

腕木門は支柱の中間に細工して屋根を作る構造に対して、 棟門は支柱の上に切り妻屋根を乗せた形
薬医門:鏡柱から控え柱までを取り込む屋根を持つ
唐門(からもん) :唐破風のある門。
長屋門:長屋の中間部の門
櫓門 (やぐらもん):櫓をもつ城門
楼門:2階造りの門
埋門 (うずみもん) :石垣などの下部をくりぬいた門
上土門:神門の屋根を陸屋根にして土を上げたもの
大和塀:柱間の横胴縁に板を縦長に交互に重ねる板塀
源氏塀:掘立柱か土台に柱を建て、柱頭に笠木を取り付け柱間に腰長押を設けた板塀
透かし板塀:柱間の中間から上部に格子をつけ、 屋根をのせる
築地塀 (ついじべい):足元を石積みとし、 土で塗り上げて屋根を引いた塀
土塀:瓦と粘土などを交互に積み重ねて造る
石塀:様々な種類の石材を用いて加工して積み上げたもの
玉垣:神社の周囲に張り巡らせた垣
生垣:樹木を並べた塀
囲炉裏:床面を掘り下げて造られる炉
自在鉤:火加減が調節できる
天棚 (火棚) :囲炉裏の上部に設けられ木星や竹製の板
竈(かまど):食品を加熱料理するために火を囲うための設備。 京都ではおくどさん、
関西はへっついと呼ぶ

P122 土壁
竹小舞:小さな竹で方眼状にしゅろ縄などで結ぶ。
水子舞下地・木摺り下地:杉の板などの木を隙間を開けながら水平に間柱などに打ち付ける下地
P125 塗り壁
木摺り下地ラスボード張・石膏下地ラスボード張り:竹小舞の代用
硬性材料:土壁や漆喰などで、 空気中で乾燥硬化するもの

水硬性材料:石膏プラスターやモルタルセメントなど、水と化学反応を生 じて硬化するもの
漆喰 : 硝石灰や貝灰に麻苟 (あさすさ)、炊きだした海藻のりを練り合わせ たもの。 黄土やベンガラなどの顔料で着色した色漆喰、砂を混ぜた砂漆喰 がある。
漆喰磨き上げ:漆喰を上塗りした後に、紙をいれた粒子の細かい漆喰の ノロを作り、限りなく平坦に仕上げること。
消石灰:生石灰に水を加え、 発熱させ消化反応により消石灰が生成される
貝灰:貝殻を焼いて作られる石灰
苆:壁土にまぜて(壁に割れができないよう)つなぎとする、わら・麻・紙などを細かく切ったもの。つた。古畳の床を藁苆に加工したり、リサイクル素材として使われてきた。
海藻のり 漆喰に保水、粘りを与える役割
土佐漆喰:塩焼き灰に数か月発行させた藁を入れて練り、 熟成させたもの
大津壁:色土に石灰を混ぜ合わせたもの。
色砂:天然の色がついた砂で、 天然砂のほか鉱物を粉砕したもの
聚楽土 (じゅらくつち) :灰褐色の粘土質土で気品のある仕上がり
珪藻土:単細胞植物性プランクトンである珪藻の死骸が海底に蓄積し、化 石化してできた泥土。
腰紙: 左官壁の保護を目的とし書き損じた書道紙などの和紙を壁の腰には る
海鼠壁 (なまこ):外壁の腰回りに平らな瓦を張り付けて目地を漆喰でかま ぼこ状に盛り上げる仕上げ
虫籠窓:防火を目的に2階正面を土壁や漆喰にした塗屋造りの町家建築の 厨子二階部分医設けた窓
鏝絵 (こてえ): 漆喰の装飾のひとつで、壁面に鰻を使って漆喰で描いた立体的な図案
P132 板壁
板壁 板張りの壁
横羽目:板を横長に使って塗り重ねる
 簓子下見(ささらこしたみ):壁板などを張るときに、羽重はがさねにした下見板の押縁おしぶちとして、縦に打ちつける細長い木材。裏側には下見板に合わせた刻みをつけ、板に密着するようにしてある。

押縁下見板張り:上から抑える切込みのない細長い緑を押縁で下見板を固定するもの

南京下見張り:長い板材を横に張る際、板の下側をその下に引っ張った板 の上端に少し重ねて張る。

箱目地下見張り:溝のような目地を出す張り方。

張りの目地板仕上げ:鎌倉時代に伝来した禅宗様、唐様から広く用いられる

焼杉:竪張りの羽目板仕上げなどは杉板を表面で焦がし、 炭化状にしたもの

浮造り:表面を特殊な道具で擦り、秋冬の堅い木目を残す。


P135
広縁:座席の外に直線状あるいはL字型に配置された通路部分。 くれ縁と もいう
濡れ縁:建物外部の庭に向けて設置された固定の床

縁側:建物の縁(へり) 部分に張り出して設けられた板敷きの通路、 広縁、 濡れ縁の総称

P136 真壁

真壁造り:土壁に漆喰を塗ったものや板などで仕上げたもので柱が見える

付柱:大壁を真壁に見せるためなどに壁仕上げ面に張り付ける厚みの薄い 柱風の板

控え壁:建物本体を構成する主壁に対して直角方向に突き出した補助的なに壁で壁や屋根を支える。

内法(うちのり):柱同士の間、 敷居と鴨居の間など相対する部材の内側か内側までの寸本

木砕き (木割り):木造建築の部材寸法の比例関係を定めたルール

面内:敷居や鴨居などの内法造作材を柱の面の内側に取り付ける

面中:面の途中に取り付ける

面ぞろ:面ずらにとりつける

壁散り:柱外面と壁仕上げ面の距離

散りじゃくり:柱の壁付の箇所を深さ6mm くらい削り取ること

鴨居:ふすまや障子をはじめ引き戸を設ける場所の上部の建具開閉のため 溝の付いた横木

(うち鴨居)

差し鴨居:大きな断面の材を用いて軸組の構造部材を兼ねる。 四七の溝、 三七の溝がある

付け鴨居:壁の部分に取り付けられる鴨居と同じ高さにまわる部材

欄間鴨居:欄間を取り付けるための鴨居。 下に来るのは欄間敷居

蟻壁:天井と欄間鴨居の間の壁、並びに欄間敷居と長押の間の壁

吊り束 (つりづか):上部の梁から、下部の横木がたわまないように吊り下

無目 建具溝を彫ってない鴨居や敷居

敷居: ふすまや障子をはじめ引き戸を設ける場所の下部の建具開閉のため 溝の付いた横木

(差し鴨居 )

地覆長押 (じふくなげし):内法長押以外に柱の最下部をつなげる長押

天井長押:天井周り縁を二重にする場合に上縁の下に接して取り付けられ る台形断面の部材

蟻壁長押:天井と内法材との間の小壁に取り付ける長押

縁側欄間:縁側の外部の境に取り付けられる。

明かり欄間:縁側および廊下と座敷の境に取り付けられる

間越欄間:部屋の境にとりつけられる

書院欄間:書院に取り付けられる

畳寄せ:床の畳と壁材が接する部分に設ける見切り材

飼木:二つの部材の間に挟み、 すき間の幅を調整もしくは固定するために 充てんする木片

大黒柱:間取り 構造的に中心

足固め飼木床下で柱と柱との間に取り付ける横木

敷土台:礎石の上に乗せらせる足固めと同じ役割のもの。 玄関の建具の下に敷くもの

差し敷居・差し鴨居:梁と壁の間に入れる貫などの横架材が幾重にも入れることで剛性を確保しつつ免震的な構造となる

桁:長編方向に渡される横木

梁:短編方向に渡された横木

軒桁:小屋梁と交差して垂木を受けて軒と水平方向にかけられる部材

太鼓梁:丸太や丸太の両側面を切り落としたもの

牛木(牛梁): 桁行方向に入れた太い梁で柱状に渡し、 小屋梁を中間で支え る。

甲乙梁:甲乙とは根太などを兼ねて梁の間に役2~3尺のピッチで入れた梁

登り梁:梁事態が水平でなく屋根勾配に合わせて斜めにかけられたもの

P146 仕口と継手

込み栓・楔(くさび): 柱に通したホゾなどを固定するため、 柱の側面から打ち込む小木片

仕口:部材同士を90などの角度でつなぎ合わせること

継手:平行につなぎ合わせること

木組み:木材の加工

男木・女木:

上木・下木:

大入れ:

真継ぎ・持ち出し継ぎ:

眼継ぎ:柱下側の腐った部分を新しい材料に交換すること

金輪継ぎ:柱の根継ぎ方法

P153 塗料

〇柄:酸化鉄を利用した赤色塗料

柿渋:渋柿の果実を粉砕して圧搾して得られた液体を発行して成熟させた 赤褐色で半透明の液体
漆:漆の木から採取した樹液を加工したウルシオールとよばれる成分を含 む天然樹脂の塗料
エノ油、 亜麻仁油、 桐油: 乾性油に着色のための顔料として渋柿に松煙、 墨を混ぜたもの
久米蔵:にかわと土を混ぜて塗り表面を油で保護した茶褐色のもの

P156
平天井:天井面を水平に張り上げたものの総称
勾配天井(ふき下ろし天井): 屋根勾配に沿って張られた天井
化粧屋根天井:屋根履き材料をそのままにしたもの
船底天井:天井断面が船の底を裏返しにした形状で、 中央部が平坦なもの

屋形天井 (拝み天井):平坦部分を作らずに山形になっているもの
折上げ天井: 天井廻りから支輪を用いて斜めに上げ、 一段高い位置に天井 を組んだもの
折上げ格天井(ごうてんじょう):社寺建築や書院の広間など
駆込み天井:平天井と、 外部の屁がそのまま内部に駆け込んできた化粧屋根裏勾配天井とを小壁を介して組み合わせた形状
落ち天井:天井が2段になっている場合の低いほう
網代 (あじろ) →
P160 天井仕上げ
竿縁天井:竿縁と呼ばれる細い材を並べ、その上に天井板を直交方向に乗せたもの
目透し天井:天井板同士の継ぎ目を突きつけずに目地を張り、 透かして張 るもの
格天井:格縁(ごうぶち)と呼ばれる格の部材で格子を組んだ格子の間に 正方形の鏡板を張った天井
踏み天井 (表し床):階高を低く抑えたい時などに有効な天井形式
網代 (あじろ) 張り天井:粉板(へぎいた)や竹皮を斜めまたは縦横に編ん だ網代を下板に取り付けた天井。

竹張り天井:真竹や孟宗竹を割り竹にしたものを天井に隙間がないように 張ったのも

P164 床

荒床:畳の下地としての床

縁甲板:長編をはぎ合せのための実化工 (さねかこう)が施されたもの。

矧ぎ合せ (はぎあわせ):

藁床:乾燥させた稲藁を強く圧縮して縫い留め、 5.5mm 板状に加工したもの

畳縁:折り曲げ部分をカバーし畳床に畳表と縫い付けること

畳敷様:畳の敷き方

祝儀敷き:吉の敷き方

P171 屋根

入母屋:東南アジアの伝統的な屋根形式

しころ屋根:大棟からの軒まで1枚の屋根ではない

越屋根 (こしやね):屋根の最長部に採光や煙抜きのための、別の棟をもつ小さな屋根をのせた屋根

焼成:瓦を焼くこと

鬼師:鬼瓦や飾り瓦を専門に作る職人

木型師:木型を作る職人、 巴瓦や唐草瓦に入れる家紋も担当

いぶし瓦:黒瓦や銀色瓦と呼ばれる瓦。 焼成の最後に燻化をさせ銀色に仕上げる

釉瓦(くすり):乾燥させた瓦の上にくすりがけをし様々な色の瓦に仕上げたもの

塩焼瓦:1100℃ぐらいで焼成

無釉瓦:粘土をそのまま焼いた素焼きの赤瓦

瓦のひきかた ( かわらぶき)

平葺き 軒葺・妻葺・棟葺・のし瓦・鬼瓦 P178

萱葺屋根:穂を下に向けて葺く真葺

檜皮葺き(ひわらぶき):木の樹脂を使用した屋根仕上げ。 ヒノキを使用し たもの。 杉皮葺きがある

板葺(いぶき) 木の板を葺く屋根のことで木端板 (こばいた)と呼ばれ
る板を用いる。
:
金属屋根葺き、 亀甲葺き、蛤葺き、瓦棒葺き、立てハゼ葺
P183 小屋組みと軒先
叉首組 (さすぐみ) 構造 (合掌造り) 伝統構法の小屋組みで茅葺き屋根に 採用される。垂木や合掌を横に渡す木 (屋中) と合掌の骨組みである丸太 垂木の上に横に渡す竹をワラ縄などで結び造られる。
日差し 開口部の上部につける小さな屋根
室札 (しつらい): 平安時代に寝殿造の住宅の母屋や庇に、ちょうどを立て 室内を飾り整えたことを言う。 客を招いての宴など、晴れの儀式の日に 用いられた。 (ネット)
P188 床の間
真行草書道に使われる書体のうち、三つの書体のこと。 楷書のことを真 と呼び、 崩した行書、さらに崩した草書の三つのことを意味する。 床(かまちどこ) : 座敷の畳面から床の間を一段上げるために床框を置い 形式
蹴込み床 床框を除き、 床板の木口を見せ、その下部に蹴り込み板を入れ 床の間を一段高くした形式
蹴込み式床 床の下に蹴り込み板を入れた形式
踏込み床 床框を用いず、座敷の畳面と同じ高さに地板を入れた形式 床柱 床の間に立つ化粧柱で座敷のほかの柱と樹種や形状を変えたもの 無双釘 床柱に花を掛けるために打たれた釘を花生釘という。床の間の奥 の中央に花を生けるために打つ釘
落とし掛け 床の間前面上部の小壁に架け渡した材
床板 床框をいれ、これと同一面に地板を入れた床の間
床天井 床の間の天井、杉やヒノキの一枚天井は天井という
P195 床脇
床 床の間の横に造られる違い棚や地袋などで構成される空間
天通りに戸を付けたもの
: 下部の棚に建具がついたもの

飾り棚:上部に通り棚、真ん中に違い棚、 下部に地袋がつくもの
違い棚:床脇の間口を三等分した真ん中の棚が高く、両脇が低いものを西楼棚という
海老束 (えびづか) : 違い棚で上下の棚板をつなぐ東
筆返し:棚板の端部につけて筆などが転がり落ちるのを止める役割
独潜(ちんぐり) ・獅子垣窓:床の間と床脇の壁にくりぬかれた部分。 獅子 窓は竹を格子状に組んだもの
P200 付け書院
付け書院:床の間脇の縁側沿いにある開閉部で、 座敷飾りのための場所

妻板書院:塗り壁ではなく厚さ 5分(15mm) のほどの一枚板で支える形式
平書院 (略式院):壁厚内に収まるように床の間と縁側のしきりに採光窓と して欄間と明かり障子を組み込む
火灯窓 (かとうまど):窓枠の上部が唐草の曲線模様になった窓
書院窓:付け書院や平書院につける窓
取込書院 (駆込み書院):書院を床の間の手前ではなく、床の間の庭側壁部分まで取り込んで配置する形式

P203 建具
框戸 (かまちど):周囲の枠組みの部材強度と接合強度に頼って固められる建具
桟戸 (さんど):周囲の枠組みを軽くする代わりに、 その内部に補強のため の細桟を数多く入れたもの
舞良戸 (まいど):書院造の建具。 奇数本入れる
格子戸:大陸様式の開き戸。
遣戸 (やりど):鴨居と敷居の溝に沿って開閉する引き戸の板戸
蔀戸 (しとみど):建物の外部の柱と柱の間につけられ、通常は占められており、開ける場合には内部化外部にはね上げて使う格子状の建具
紙貼障子:前面和紙張りにした明かり障子が原型。
水腰障子・腰付障子:建具下部に板張りがあるもの
夏障子 簾戸(すど):簾に編んだヨシ、ハギ、イヨ竹を格子の中に入れたものや組子だけで作る場合もある。

・襖に使う和紙の種類

色鳥の子:顔料で着色された和紙・鳥の子雁皮を100%使った越前和紙

杉皮紙:杉の繊維でした紙

細川紙:淡黄色の光沢のあるくわ科の植物でわしの原料となる楮(こうぞ)でしたそうごし

芭蕉紙:沖縄の和紙

洋金箔平押し:金箔を和紙に張ること

彩雲紙:銀箔を雲状に流し込んだ越前和紙の漉き紙

落水紙:漉き上がったばかりの和紙に水滴を落として水玉模様を作った和紙

檀紙 (まゆみかみ):段上の皺 (しわ)を付けた楮紙(こうぞ)

揉み紙:手でもんで皺 (しわ) をテクスチャーを付けた紙

唐紙:ふすまに張る加工紙のことで京唐紙と江戸唐紙に分かれる

組手(くで):二つの部材を組んで継ぐとき

素組:茶室障子など面を取らないくみかた

組手腰:面を取った組手を面一で納める場合

無双窓:無双とは表裏が同じであること

彫刻欄間:主に杉の木目を生かしながら彫刻したもの

透かし彫り欄間:杉の柾目の板に透かし彫り加工を施したもの

欄間 (おさ):細い木桟を縦組みに組み込んだもの。 ピッチの細かいもの は千本格子という

掃き出し窓 :庭に接する下端が床と同じ高さになっている人が出入りでき る窓

雨戸:防風、防犯、遮光 目隠しを目的のために建物の開口部に設置する建具。 雨戸を収納する部分を戸袋という

格子:角材を横縦の格子状に組み上げたもの

連子:柱間に補強用の水平材が入らずに、角材を縦方向に並べたもの

出格子:窓から外へ張り出して足元が浮いているもの

平格子:窓があり外壁から突出していないもの

台格子:上下の框に太い格子がしっかりとした構造のもの

P215 古民具

蝋燭・灯台・提灯 灯篭流し槽 (ふね)・飯櫃・箕(み)・唐箕 (とうみ)・かめつぼ笊(ざる) 石臼膳 衣桁 (いこう)・長持葛籠 (つづら)背負子(しょいこ)蓑 (みの) 屏風・衝立 囲炉裏 五徳・ 火箸 炬火鉢・御幣 仏間 神棚・厠 (かわや) 湯殿・ 五右衛門風呂・ 木桶風呂

箱木家住宅:現存する最古の住宅。柱や床材は手斧(ちょうな)で削り出した

チャプター5 在来工法について

P231

布基礎:鉄筋コンクリート製の連続一体化した形状の基礎

ベタ基礎:軟弱地盤の際に用いられ、 フーチング部分が建物全体に設けら れる。

換気口 :建築基準法施工令第22条第1項第2号の規定に基づき、床下の 換気を図るために外周の基礎に5m以下ごとに面積 300c ㎡以上の換気口 を設ける。

アンカーボルト:基礎と土台を固定するもの

ホールダウン金物:地震時や台風時に柱が土台や梁から抜けるのを防ぐ金物

火打土台:土台より小柄な角材で水平方面の変形を抑えるために敷かれる 腰掛鎌継ぎ、 腰掛蟻継ぎ

通し柱:土台から軒まで通った継ぎ目のないはしら。 主に外周の隅柱に使 用されることが多く、 胴差が差し込まれる。

管柱:胴差や桁、 梁などで中断される1階または2階のその階にだけ入る 柱。 上階の屋根や床を受ける構造体。

筋交い:柱と柱の間に斜めにいれ、 構造物の構造を補強する部材

間柱:管柱の間に一定間隔でいれる壁厚を維持するためだけの非

貫:木造建築で柱などの垂直材間に通す水平材

横架材: 梁、 桁、 胴差、 土台など水平方向に架ける構造材

胴差:2階の床高さで、 建物の周りを囲う横架材のこと
梁、桁、 軒桁:梁は水平短径方向に架けられ、 床や屋根などの荷重を柱に伝える材。 桁は梁の直交方向に渡される部材。 小屋梁と交差し垂木を受けて軒と水平方向に架けられた部材は軒桁。

軒高:軒桁の上面までの高さが建築基準法の軒高となる

小屋組み:小屋梁から上の屋根の造形を形づくる構造体

プレカット:事前に加工すること。 構造材の継手を事前に工場で加工する技術。

根太:大引きの上に垂直方向に張る床の構造の一部

大引き: 床組で、土台缶に土台と直交して約900mm間隔で並べ入れる横木

床束:床を支えるために東石の上に立て、大引きを支えるもの。

根がらみ:床束が倒れるのを防ぐために入れる部材。

床下地板:畳を敷く場合に根太の上に張る板、 荒床

P238 床組の種類

東立て床、 根太床、 転ばし床、東のない床、 梁床、 組床、剛床

P239 床仕上げ

畳、フローリング、ビニール系床材、 絨毯

P241 壁の種類

大壁:柱の両面に仕上げを施し、 柱を包み込む構成立て

真壁:柱に貫を通し、それらを互いに結んで構成される軸組

塀用壁:片面大壁、 片面真壁の構造、 和室の外壁部などが該当

真壁下地:柱より面落ちさせた位置に胴縁を縦横方面に組む方法や間柱に 横胴縁を取り付ける方法、間柱に木摺りを取り付ける方法、 通しを設け 土壁の小舞下地にする方法羽目板の場合は板厚に応じて、 ちりじゃくりを柱材の加工段階で刻んでお く必要ある

胴縁:壁に羽目板やボードを取り付けるにあたり、柱、間柱に不陸?を調 整で入れるための水平材。壁仕上げ材 P243

木質系材料:木のままではくるいが生じやすいため、壁材として使用され あるものは合板に加工されている

プリント合板:合板の表面に木目など印刷したもの

化粧石膏ボード:表面にクロス調の模様が印刷された商品

ビニールクロス:ポリ塩化ビニール樹脂をシート状にして裏側を紙で裏打 もし、表面に型押し加工や印刷を施した壁紙である。

布クロス:綿や麻、絹やヨーレンのようなセルロースを再生した繊維や編 み物、不織布などの布に紙を裏打ちした製品

線維壁:軟質多孔性の軽量の繊維系材料 色土パーライトなどに混和材量を混ぜて練ったものを塗った壁

砂壁:色砂をのりで練った上塗り材

P247 外壁の仕上げ材

サイディング:工場で生産された板を張って仕上げられたもの

金属系サイディング:スチールやアルミを使用し裏に断熱材を入れたサイ ディング。ガルバ鋼板など業系(ようぎょうけい) サイディング外壁:耐久性を高めるためにセメン トに木片などをまぜたあと、ブレス形成で板状にした商品

木質系サイディング:天然木などを塗装したサイディング

ALC (Ainoclaved Lightweight aerated Concrete):高温高圧蒸気養生され た軽量気泡コンクリートの略モルタル:セメント、砂、砂利を 1:3:6 の割合で混ぜてできるものはコン クリート、セメントと砂を1:3の割合で混ぜたものをセメント、 セメント と水だけはノロをいう

タイル:陶磁器製のものは吸水率の違いにより、陶器質、せっ器質、磁器 質に分けられる。

焼杉:杉板の表面を焼いて炭化させ浮造りしたもの。

P252 小屋組み

小屋東 : 小屋梁の上に垂直に立てる神木と母屋を支える柱の総称

雲筋交い:小屋束や母屋が倒れないように、 小屋裏の小屋東に屋根勾配に合わせて斜めに打ち付けられる筋交いのこと

母屋(もや):屋根を支持する天井より上の構造

棟札:建築、修築の記念として棟木・梁など建物内部の高所に鋼の板に記して釘で打ち付けたもの。 梁上銘、墨書きともいう。

垂木:屋根板または屋根下地を支えるために母屋から軒に架けられる材

野地板:屋根仕上げ材の下地として使用する板

破風:切り妻屋根の裏側に母屋を隠すために取り付けられる横板を指すことが多い

鼻隠し:軒先に取り付けられる横板。

広小舞:軒先の先端、垂木の上に取り付けられる板状の部材。

和小屋:柱及び軒桁に架け渡した水平部材 (小屋梁) とその水平部材の上に設けられた垂直部材 (小屋東)から構成される小屋組み

折り置き:小屋梁の端部と柱の納め方で、柱の頂部に直接小屋梁を架け、 その上に軒析を架ける方法。

京呂組:柱の上に軒桁を載せ、この上に渡類または掛けで小屋梁を架け 渡す。

洋小屋:水平部材 (陸ぼり)、 垂直部材 (真づか)、 斜材 (合掌) の相互が 三角形の構成をなすように架構される。

P256 屋根仕上げ

釉薬(ゆうやく):陶器瓦とも呼ばれ、 プレス成型した瓦形の素地に釉薬 をかけ、窯の中で高温に焼き上げた瓦

無釉瓦:いぶし瓦や素焼き瓦など、 釉薬を施さず陶器の素地の色合いが出る。

厚形スレートプレスセメント瓦:プレス、 脱水、 成型し養生後に塗料で表面処理する。

コンクリート瓦:モルタルで製造しモニエル瓦ともいう

化粧スレート:セメントを高温高圧化で養生し、 成型して板状の合成スレ ートに着色したもの。

天然スレート:玄昌石を屋根に使っている

軒天、 破風:屋根の軒の裏側

雨樋:横槌、竪樋などの形状がある。 パイプを使わない竪樋でチェーンのような形状は鎖麺という

小屋裏換気口:有効な位置に2か所で換気口の有効面積は階下の天井面積の 1/300 以上

P258 水回り設備

局所式給湯方式:小型の給湯器で台所や浴室、洗面所などに給湯する住宅の給湯設備

先分法式:主要な配管から枝分かれして水栓金具へ接続される方式

ヘッダー方式:給湯器からそれぞれの細管で供給する方式 (最近)

さや管ヘッダー方式:配管より大きな管を通し、その中に配管を通す方式。

(メンテナンス容易 )

P267 金属について

カラー鋼板:板状に加工された鋼のこと。 住宅では工場で塗装されたプレ コート鋼板が使用

トタン:亜鉛メッキされた鋼板

ブリキ:亜鉛ではなくスズでメッキした鋼板

ガルバリウム鋼板 : 亜鉛とアルミと微量の硅素 (けいそ)をメッキした板の総称


チャプター6 木材の基礎知識

P281

春材部:春先から夏に成長した白い柔らかい部分

秋材部:秋から冬に成長した濃い色の部分

心材・芯材・赤身:杉の場合は赤黒くなっている部分

辺材・白太:外周部の白い部分

木表・木裏:丸太の外側に面する部分を木表、 中心側を木裏

背割り:乾燥により木表側に収縮するため、 壁で見えなくなる面に収縮割れを集中させる

平均含水率:建築基準法で定められている 20%以下とする

繊維飽和点:細胞内にある結合水が蒸発をし始める時。 含水率は約30%

平衡含有率:乾燥が進むと大気中の平均的な温湿度を均衡して一定の含有率になる

気乾含水率 (きかん):含水率 15%を木材の強度を試験する際に使用する

人工乾燥処理製材:温湿度環境に対応した平均含水率が品目毎に定められ ている

天然乾燥処理製材:乾燥していない製材状態から材が収縮し始める含水率30%以下と定められている。

P284 含水率と伸縮

飽和含水状態:含水率30%以上

繊維飽和点:含水率約30%、 細胞腔には水がなく、 細胞膜は飽水の状態気乾状態: 含水率 13~17%、 細胞膜に大気中で乾燥しない若干の水を残し た状態

全乾状態:含水率 0%、 細胞腔、 細胞膜ともに水はない

P285 燃焼

約160℃:可燃性ガスの発生

約260℃:口火を近づけると引火一出火危険温度

約450℃:口火なしで発火する一発発火点

芯持ち材:芯材を中心に製材した樹心をもった材

芯去り材:樹心を持たない材

柾目:年齢に対して直角に挽いた面。 木目がまっすぐになる。

板目:年齢に接する方向に切るため、本日は山形等の不なものになる
元口:丸太の根のほう
末口:枝先のほう


P291 木材の主要成分
セルロース:約45%
ヘミセルロース:広葉樹 30%%、針葉樹林 20%
リグニン:広葉樹 20%、針葉樹林 30%
難分解成分:セルロース、ヘミセルロース、リグニンは自然界では化学分解の難しい成分

P294 木材の強度
ヤング係数:本材のなどに均等に圧縮力を加えると、軸圧縮力に比 したひずみを生じる。この比例定数のこと。すなわち圧縮力に応じた ひずみに対する比
弾性係数:比重の大きなものほど強度と弾性係数は大きくなる

P295 木材の欠点
節・丸み・繊維の傾斜(目切れなど)が主でありそのほか、割れ、曲がり、 ねじれ、入皮(材中に樹皮が入り込んだもの)、あて (色が強く繊維素が少 ない異常成長部分)、 かなすじ (材中に物性結晶が沈したもの)

P297 腐朽と防腐方法
腐朽菌の繁殖条件:適当な温度 (20~30℃、25℃前後が最適)、高い湿気 (木 材の含水率は28%以上、 50~100 が)、 空気 (酸素)の供給、栄養 (木材自身)
白色腐朽菌:木材を白く変色されるもの
褐色腐朽菌:木材を褐色に変色させるもの
軟腐朽菌:高含水率の木材を表面に軟化現象をおこさせるもの

P299 虫害と防蟻対策
ヤマトシロアリ:土台などの湿材の辺材を食害
イエシロアリ:春材部の食害をするヤマトシロアリより被害が甚大
ヒラタキクイムシ:壁の板やフローリングなどを食害

P303 木材の種類

松:油分が多く粘りがあり、曲げる力も強いため梁や桁、屋根を支える小 屋組など、地面に対して水平方向の部材で一番多く使われている。 シロアリなどの食害に弱い。 自松といわれるアカマツやクロマツが使用される。

杉:柱に使用、柔らかく加工が容易で吸放出率が高い。

ヒノキ:香りがよく年輪が均一ではっきりしない。 きめが細かく加工性がよい

ビバ:ヒノキチオールが豊富にあり、 抗菌作用が強く独特の香りがする (つが)きめが細かく木目が美しいため、柱などにも使われる高級木材

そのほか:一位イチョウ・サワライヌマキネツコ

栗:水に強く、硬く強度がありしかも耐久性が高い

欅(けやき):年輪がはっきり見える、肌目が粗く、 杢 (もく) は美しく高級感があ大黒柱に利用される

桜 : 欅に並ぶ高級感のある木で欅と比べるとおとなしく上品

楢(なら):木目が美しく重厚で固いため、 床材や家具にも使用

そのほか針葉樹 : 桐 桂楡 (ニレ) ブナ

P308 木材の乾燥方法

強制乾燥材:KD 材とは、人工的に木材を乾燥させた、強制乾燥材あるい は人工乾燥材のこと。

蒸気乾燥:木材に高温の蒸気を当て木材内部の温度を上げ、温度が上がっ たところで蒸気を止め木材内部の水を外に出す方法。 表面割れを起こしに くく安価で安定した性能。

燻煙乾燥:熱媒体として上記ではなく、炭素を熱媒体とする方法自然乾燥材 (AD 材) 天日干しした材。 冬季の新月直前に伐採する新月伐 採や葉を残したまま乾燥させてから山から下ろす葉枯らし乾燥、 水中に木 材を入れて乾燥させる水中乾燥がある。

集成材:ラミナと呼ばれる木片を接合し、 圧力をかけて張り合わせ1本の 木材にする。 表面には薄くそいだ紙のような単板を張り付ける

用語集

増築:既存の建物より床面積を増やすこと

改築:既存の建築物を一部取り壊して、これと位置用途構造回数規模かほ ぼ同程度のものに立て直すこと、リフォーム

大規模の模様替え:間仕切りなどの構造の変更を伴わない大規模な二部屋 以上にわたるリフォーム

減築:現在の床面積から一部を撤去して小さくすること

再築:古民家の再利用できる資材を活用し、 身体環境に配慮した長期耐用住宅として生まれ変わらせること

新民家:建築後50年を経過すれば古民家としてなるような資材、 構法を 用いて建てる新築住宅

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