土地区画整理法 第六章 雑則

第六章 雑則

土地区画整理事業の重複施行の制限及び引継ぎ

第百二十八条 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域については、その施行者の同意を得なければ、その施行者以外の者は、土地区画整理事業を施行することができない。

 現に施行されている土地区画整理事業の施行地区となつている区域について、前項の同意を得て、新たに施行者となつた者がある場合においては、その土地区画整理事業は、新たに施行者となつた者に引き継がれるものとする。

 個人施行者、組合又は区画整理会社は、第一項に規定する同意を与えようとする場合において、土地区画整理事業の施行のための借入金があるときは、その土地区画整理事業の引継ぎについてその債権者の同意を得なければならない。

 第二項の規定により個人施行者、組合又は区画整理会社が施行していた土地区画整理事業が引き継がれた場合においては、当該施行地区となつている区域について新たに施行者となつた者に係る第九条第三項(第十条第三項において準用する場合を含む。)、第二十一条第三項若しくは第四項、第三十九条第四項、第五十一条の九第三項(第五十一条の十第二項において準用する場合を含む。)、第五十五条第九項(同条第十三項において準用する場合を含む。)、第六十九条第七項(同条第十項において準用する場合を含む。)又は第七十一条の三第十一項(同条第十五項において準用する場合を含む。)の公告(第二十一条第三項の公告にあつては、第十四条第一項の規定による認可に係るものに限る。)があつた日において、当該個人施行者又は区画整理会社が施行する土地区画整理事業は廃止されるものとし、当該組合は解散するものとする。

 第二項の規定により土地区画整理事業を引き継いで施行することとなつた施行者は、引き継がれることとなつた施行者が土地区画整理事業の施行に関して有していた権利義務(その者がその施行する土地区画整理事業に関し、行政庁の許可、認可その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

処分、手続等の効力

第百二十九条 土地区画整理事業を施行しようとする者、組合を設立しようとする者若しくは施行者又は土地区画整理事業の施行に係る土地若しくはその土地に存する工作物その他の物件について権利を有する者の変更があつた場合においては、この法律又はこの法律に基づく命令、規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により従前のこれらの者がした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者がしたものとみなし、従前のこれらの者に対してした処分、手続その他の行為は、新たにこれらの者となつた者に対してしたものとみなす。

宅地の共有者等の取扱い

第百三十条 宅地の共有者若しくは共同借地権者又は宅地の同一部分に二人以上の借地権者がある場合のこれらの借地権者は、第八条(第十条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)、第二十五条第一項、第五十一条の六(第五十一条の十第二項、第八十八条第一項及び第九十七条第三項において準用する場合を含む。)、第五十八条第一項(第七十条第三項及び第七十一条の四第三項において準用する場合を含む。)、第六十三条第一項及び第二項(第七十条第三項及び第七十一条の四第三項において準用する場合を含む。)、第九十八条第四項並びに第百二十五条の二第二項の規定の適用については、併せて一の所有者又は借地権者とみなす。ただし、これらの者のみにより土地区画整理事業を施行しようとし、若しくは施行する場合又はこれらの者のみにより組合を設立しようとし、若しくはこれらの者のみが組合の組合員となつている場合においては、この限りでない。

 前項本文の規定により一の所有者又は借地権者とみなされる者は、それぞれのうちから代表者一人を選任し、その者の氏名及び住所を施行者に通知しなければならない。

 前項の代表者の権限に加えた制限は、これをもつて、施行者に対抗することができない。

 第二項の代表者の解任は、施行者にその旨を通知するまでは、これをもつて施行者に対抗することができない。

 第二項の規定により代表者を選任しなければならない場合において、同項の規定による通知がないときは、施行者がこの法律又はこの法律に基づく命令、規準、規約、定款若しくは施行規程の規定により第一項本文に掲げる者に対してする行為は、これらの者のうちいずれか一人に対してすることをもつて足りる。

公有水面の取扱

第百三十一条 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)第二条第一項に規定する免許を受けた者がある場合においては、この法律の規定の適用については、その免許に係る水面を宅地とみなし、その者を宅地の所有者とみなす。

債権者の同意の基準

第百三十二条 第十条第二項、第十三条第三項、第三十九条第三項、第四十五条第四項、第五十条第五項、第五十一条の十第三項、第五十一条の十三第三項又は第百二十八条第三項の規定による同意を求められた債権者は、正当な理由がある場合を除いては、その同意を拒むことができない。

書類の送付にかわる公告

第百三十三条 施行者は、土地区画整理事業の施行に関して書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくてその者の住所、居所その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、その書類の内容の公告をすることをもつて書類の送付にかえることができる。

 第七十七条第五項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同項中「前項後段の公告」とあるのは「前項の公告」と、「当該土地区画整理事業の施行地区を管轄する市町村長」とあるのは「当該土地区画整理事業の施行地区を管轄する市町村長及び書類の送付を受けるべき者の住所又はその者の最後の住所を管轄する市町村長」と読み替えるものとする。

 第一項の公告があつた場合においては、その公告があつた日から起算して十日を経過した日に、当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。

意見書の提出の期間の計算等

第百三十四条 この法律の規定による意見書が郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便で差し出された場合においては、送付に要した日数は、期間に算入しない。

 この法律の規定による意見書は、その提出期間が経過した後においても、容認すべき事由がある場合においては、受理することができる。

他の工事の費用の負担

第百三十五条 土地区画整理事業の施行に因りその施行地区に隣接する鉄道若しくは軌道の踏切又は橋の新設若しくは変更の工事を施行する必要が生じた場合においては、その工事に要する費用は、その必要を生じた限度において、施行者が負担するものとする。

 前項の工事の設計及び施行方法は、当該工事を施行する者と当該施行者との協議により定めなければならない。

土地区画整理事業と農地等の関係の調整

第百三十六条 都道府県知事は事業計画若しくは事業計画の変更について審査する場合又は事業計画を定め、若しくは変更しようとする場合において、地方公社(市のみが設立したものを除く。)は第七十一条の二第一項の事業計画を定め、又は変更しようとする場合において、当該土地区画整理事業が、都市計画法第七条第一項の市街化区域と定められた区域外の農用地の廃止を伴うものであるとき、又は用排水施設その他農用地の保全若しくは利用上必要な公共の用に供する施設を廃止し、変更し、その他これらの施設の管理若しくはこれらの施設の新設若しくは改良に係る土地改良事業計画に影響を及ぼすおそれがあるときは、当該事業計画又はその変更について、農業委員会(農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第三条第一項ただし書又は第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあつては、市町村長。以下この条において同じ。)及び当該施設を管理する土地改良区の意見を聴かなければならない。ただし、政令で定める軽微なものについては、この限りでない。

 農業委員会は、前項の規定により意見を述べようとするとき(同項の土地区画整理事業が都市計画法第七条第一項の市街化区域と定められた区域外の三十アールを超える農地法にいう農地の廃止を伴うものであるときに限る。)は、あらかじめ、農業委員会等に関する法律第四十三条第一項に規定する都道府県機構(次項において「都道府県機構」という。)の意見を聴かなければならない。ただし、同法第四十二条第一項の規定による都道府県知事の指定がされていない場合においては、この限りでない。

 前項に規定するもののほか、農業委員会は、第一項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、都道府県機構の意見を聴くことができる。

権限の委任

第百三十六条の二 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

大都市等の特例

第百三十六条の三 この法律中都道府県知事の権限に属する事務で政令で定めるものは、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下この条において「中核市」という。)においては、政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下この条において「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。

事務の区分

第百三十六条の四 この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、第一号法定受託事務とする。

 都道府県が第七十一条の三第六項及び第七項(これらの規定を同条第十五項において準用する場合を含む。)並びに第七十六条の規定により処理することとされている事務(都道府県又は機構等(市のみが設立した地方公社を除く。)が施行する土地区画整理事業に係るものに限る。)

 市町村が処理することとされている次に掲げる事務

 第五十五条第十項(同条第十三項において準用する場合を含む。)、第六十九条第八項(同条第十項において準用する場合を含む。)、第七十一条の三第十二項(同条第十五項において準用する場合を含む。)及び第七十七条第五項後段(第百三十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事務(国土交通大臣、都道府県又は機構等(市のみが設立した地方公社を除く。)が施行する土地区画整理事業に係るものに限る。)

 第七十二条第六項に規定する事務(都道府県又は機構等(市のみが設立した地方公社を除く。)が施行する土地区画整理事業に係るものに限る。)

 この法律の規定により市町村が処理することとされている事務のうち次に掲げるものは、地方自治法第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。

 第四条第一項後段、第九条第四項(第十条第三項において準用する場合を含む。)、第十条第一項後段、第十一条第五項及び第七項、第十三条第一項後段、第十四条第一項後段(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第三項後段、第十九条第二項及び第三項(これらの規定を第三十九条第二項及び第五十一条の七第二項(第五十一条の十第二項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第二十条第一項(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)、第二十一条第六項(第三十九条第二項において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項、第三十九条第一項後段、第四十一条第三項(第七十八条第四項及び第百十条第七項において準用する場合を含む。)、第四十五条第二項後段、第五十一条の二第一項後段(第五十一条の十一第二項において準用する場合を含む。)、第五十一条の八第一項(第五十一条の十第二項において準用する場合を含む。)、第五十一条の九第四項(第五十一条の十第二項において準用する場合を含む。)、第五十一条の十第一項後段、第五十一条の十三第一項後段、第七十二条第一項後段、第七十七条第七項後段、第八十六条第二項並びに第九十七条第一項後段に規定する事務

 第五十五条第十項(同条第十三項において準用する場合を含む。)及び第七十一条の三第十二項(同条第十五項において準用する場合を含む。)に規定する事務(市町村又は市のみが設立した地方公社が施行する土地区画整理事業に係るものに限る。)

 第七十二条第六項及び第七十七条第五項後段(第百三十三条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事務(個人施行者、組合、区画整理会社、市町村又は市のみが設立した地方公社が施行する土地区画整理事業に係るものに限る。)

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