宅地建物取引業法(以下、宅建業法)は宅地建物取引業を営む者について一定の資質
を確保し、その事業に対し規制を行うことにより、その業務の運営を適正ならしめ、宅地建物の取
引の公正とその利用の促進を図ることを目的として制定されたものです。

第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 免許(第三条―第十四条)
第三章 宅地建物取引士(第十五条―第二十四条)
第四章 営業保証金(第二十五条―第三十条)
第五章 業務
 第一節 通則(第三十一条―第五十条の二の四)
 第二節 指定流通機構(第五十条の二の五―第五十条の十五)
 第三節 指定保証機関(第五十一条―第六十三条の二)
 第四節 指定保管機関(第六十三条の三―第六十四条)
 第五章の二 宅地建物取引業保証協会(第六十四条の二―第六十四条の二十五)
第六章 監督(第六十五条―第七十二条)
第七章 雑則(第七十三条―第七十八条の四)
第八章 罰則(第七十九条―第八十六条)

宅建業法の目的

宅建業法は業者(私人)と消費者(私人)との間を規律する法律です。
私人間の関係なら、本来、民法が適用されるのが原則です。

しかし、民法においては契約自由の原則が働く以上、誰と、どのような内容の契約をしてもよいことになりますが、宅地建物の取引においては、専門的知識等の面において業者が強者であるので、弱者たる消費者に不利な契約を押しつける危険があります。

宅地建物の取引は通常、人にとって一生に一度あるかないかの重大事のため、強者たる業者が弱者たる消費者に不利な契約を押しつけることを防止することが必要です。そこで、民法の特別法として設けられたのが宅建業法です。

ゆえに、宅建業法の目的は、消費者の保護です。
そして、宅建業法においては、民法の各制度が消費者保護という観点から、どのように変容されているかを理解する必要があります。

宅建業法の概要

宅建業法の目的は消費者の保護。
それゆえ、消費者の保護が図られるように制度を設ければよく、そのためには業務の適切な運営を確保することが必要です。

業務の適切な運営を確保するためには、
① 業者になるにふさわしい者が
② 一定のルールに従って業務を行い
③ 特に重要な業務については、宅地建物の専門家としての資格を有する者がその業務を行うことが必要です。
④ ①②③を確保するために、行政官庁による監督、罰則が必要。

宅建業法は、以下のかたちをとります。
① どうすれば業者になることができるか?
(第2章 免許、第4章 営業保証金、第5章の2 保証協会)
② 業者はどんなルールに従って仕事をするのか?(第5章 業務)
③ 宅建取引士とはどんな人か?(第3章 宅建取引士)
④ ルールを破るとどうなるのか?(第6章 監督、第8章 罰則)

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