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開業場所を決定します─ 業務を行う場所の届出
実際に行う活動の拠点となる事務所等がどこにあるのかわからないと十分に業者を監督することができないので、業務を行う場所の届出を義務づけました。
事務所
どんな場所か?
⑴ 本店(主たる事務所)
⑵ 宅建業を営む支店(従たる事務所)
⑶ 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、宅建業に係る契約締結権限を
有する使用人を置くもの
届出が必要な場合
事務所の新設・移転の場合
参考:開業する際の事務所は免許申請書で届け出ます。
届出先
免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)
届出期間
設置後30日以内
届出事項
① 事務所の名称 ② 所在地
案内所等
どんな場所か?
契約の締結または、契約の申込の受付を予定する下記の場所
① 事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所
例:現地出張所
② 一団の宅地建物の分譲を行う際の案内所
例:自社物件の現地案内所
なお、一団の宅地建物とは、10 区画以上の宅地または10 戸以上の建物をいいます。
③ 一団の宅地建物の分譲の代理・媒介を行う際の案内所
例:他社物件の現地案内所
※この場合代理・媒介業者が届出を行うのであり、自ら売主となる業者が
行うのではありません。
④ 業務に関する展示会その他の催しを実施する場所
届出が必要な場合
上記場所で業務を行う場合
届出先
則として、免許権者および案内所等の所在地の都道府県知事双方に直接届け出ます。
但し、大臣免許の場合、案内所所在地の知事を経由して大臣に届け出ます。
届出期間
業務開始の10日前まで ×分譲開始の前日 ×30日
届出事項
① 所在地 ② 業務内容 ③ 業務期間 ④ 専任の宅建取引士の氏名
10区画・10戸・10日前と覚える。
案内所等の届出先
事務所と案内所等の比較
① 10区画未満または10戸未満の場合は届出不要
② 本試験において「宅地建物取引業法第50条第2項の規定に関する届出」とあったら、案
内所の届出と理解すること
事務所を開設します─ 掲示および備付義務のまとめ
各事務所で要求されるもの
- 標識(業者票)の掲示
理由:もぐり業者の営業を防止するため。 - 報酬額の掲示
理由:消費者が後で予想外の報酬を要求されるというトラブルを防ぐため。 - 帳簿の備え付け
⑴ 事業年度経過後5年間の保存が必要。
但し、自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間の保存が必要。
⑵ 業者は取引のあったつど一定事項を記載しなければなりません。
⑶ 業者はその事務所ごとに帳簿を備えなければなりませんが、帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し、必要に応じて事務所においてパソコンやプリンターを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えていれば、帳簿への記載に代えることができます。
理由:業務の適正な運営を図るため。取引台帳のこと。 - 従業者名簿の備え付け
最終の記載をした日から10年間の保存が必要。
取引関係者の閲覧に供することにより、業者と従業者の関係を明確にするため。 - 成年である専任の宅建取引士の設置
宅建業に関する法律の専門家を常置させ、業務の適正な運営を図るため。
① 帳簿 ➡ 事業年度経過後 ➡ 5年間
② 従業者名簿 ➡ 10年間
事務所に必要なもののイメージ
案内所等で要求されるもの
契約の締結または、契約の申込の受付を予定する下記の場所 ① 事務所以外の継続的に業務を行うことができる施設を有する場所 ② 一団の宅地建物の分譲を行う際の案内所 ③ 一団の宅地建物の分譲の代理・媒介を行う際の案内所 ④ 業務に関する展示会その他の催しを実施する場所 | 成年である専任の 宅建取引士の設置 | 標 識 ※1~3 |
⑤ 一団の宅地建物の分譲をする際の当該宅地建物の所在する場所 | 不 要 |
※1 契約の締結または契約の申込の受付を予定する場所についてのみ成年である専任の宅建取引士の設置が要求されますが、標識は契約の締結または契約の申込の受付を予定せず、成年である専任の宅建取引士の設置義務のない上記①~⑤の場所についても必要とされます。
※2 代理・媒介を行う際の案内所には、当該案内所を設置する代理・媒介業者が標識を掲示するのであって、自ら売主となる業者が行うのではありません。
※3 代理・媒介を行う際の案内所の標識には、売主が誰であるかについて明示しなければなりません。
売主たる業者が他の業者に販売代理を依頼した場合
売主たる業者🅐が他の業者🅑に販売代理を依頼した場合
建設中のマンション 一団の宅地建物の分譲をする際 の当該宅地建物の所在する場所 | 案内所 | |
案内所の届出 | 案内所にあたらないので不要 | 🅑のみが行う |
成年である専任の 宅建取引士の 設置義務 | な し | 🅑のみが行う |
標識の掲示義務 | 🅐のみが負う | 🅑のみが行う |
従業員を配置します─ 従業者証明書の携帯
証明書を従業者に携帯させることにより、その者が真実、業者の下で働く者であることを明ら
かにし、業務の適正な運営を図ります。
- 宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければ、その者を業務に従事させてはなりません。
- 従業者は、取引の関係者の請求があれば、その携帯する従業者証明書を提示しなければなりません。
- 宅建業者は事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者名簿に氏名・生年月日・従業者証明書の番号、主たる職務内容、宅建取引士であるか否か、当該事務所の従業者となった年月日とそうでなくなった年月日を記載しなければなりません。
- 宅建業者は、取引の関係者の請求があれば、その者に従業者名簿を閲覧させなければなりません。データをパソコンのディスプレイ上に表示させることもできます。