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第七章の三 地区計画等の区域
地区計画等の区域内において条例で定める制限
第百三十六条の二の五 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例による制限は、次の各号に掲げる事項で地区計画等の内容として定められたものについて、それぞれ当該各号に適合するものでなければならない。
一 建築物の用途の制限 次に掲げるものであること。
イ 地区計画の区域(再開発等促進区及び開発整備促進区を除く。)にあつては、当該区域の用途構成の適正化、各街区ごとの住居の環境の保持、商業その他の業務の利便の増進その他適正な土地利用の確保及び都市機能の増進による良好な環境の街区の形成に貢献する合理的な制限であることが明らかなもの
ロ 地区計画の区域のうち再開発等促進区又は開発整備促進区にあつては、当該再開発等促進区又は開発整備促進区にふさわしい良好な住居の環境の確保、商業その他の業務の利便の増進その他適正な土地利用の確保及び都市機能の増進に貢献する合理的な制限であることが明らかなもの
ハ 防災街区整備地区計画の区域にあつては、当該区域にふさわしい良好な住居の環境の確保、商業その他の業務の利便の増進その他適正な土地利用の確保及び都市機能の増進に貢献し、かつ、当該区域における特定防災機能(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成九年法律第四十九号)第二条第三号に規定する特定防災機能をいう。次項において同じ。)を確保する観点から見て合理的な制限であることが明らかなもの
ニ 歴史的風致維持向上地区計画の区域にあつては、当該区域にふさわしい良好な住居の環境の確保、商業その他の業務の利便の増進その他適正な土地利用の確保及び都市機能の増進に貢献し、かつ、当該区域における歴史的風致(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第一条に規定する歴史的風致をいう。)の維持及び向上を図る観点から見て合理的な制限であることが明らかなもの
ホ 沿道地区計画の区域にあつては、商業その他幹線道路の沿道としての当該区域の特性にふさわしい業務の利便の増進その他適正な土地利用の確保及び都市機能の増進に貢献し、かつ、道路交通騒音により生ずる障害を防止する観点から見て合理的な制限であることが明らかなもの
ヘ 集落地区計画の区域にあつては、当該区域の特性にふさわしい良好な住居の環境の保持その他適正な土地利用の確保に貢献する合理的な制限であることが明らかなもの
二 建築物の容積率の最高限度 十分の五以上の数値であること。
三 建築物の建蔽率の最高限度 十分の三以上の数値であること。
四 建築物の敷地面積の最低限度 次に掲げるものであること。
イ 地区計画等(集落地区計画を除く。)の区域にあつては、建築物の敷地が細分化されることにより、又は建築物が密集することにより、住宅その他の建築物の敷地内に必要とされる空地の確保又は建築物の安全、防火若しくは衛生の目的を達成することが著しく困難となる区域について、当該区域の良好な住居の環境の確保その他市街地の環境の維持増進に貢献する合理的な数値であること。
ロ 集落地区計画の区域にあつては、建築物の敷地が細分化されることにより、住宅その他の建築物の敷地内に必要とされる空地の確保又は建築物の安全、防火若しくは衛生の目的を達成することが著しく困難となる区域について、当該集落地区計画の区域の特性にふさわしい良好な住居の環境の保持その他適正な土地利用の確保に貢献する合理的な数値であること。
五 壁面の位置の制限 建築物の壁若しくはこれに代わる柱の位置の制限又は当該制限と併せて定められた建築物に附属する門若しくは塀で高さ二メートルを超えるものの位置の制限であること。
六 建築物の高さの最高限度 地階を除く階数が二である建築物の通常の高さを下回らない数値であること。
七 建築物の高さの最低限度、建築物の容積率の最低限度及び建築物の建築面積の最低限度 商業その他の業務又は住居の用に供する中高層の建築物を集合して一体的に整備すべき区域その他の土地の合理的かつ健全な高度利用を図るべき区域について、当該区域の高度利用を促進するに足りる合理的な数値であること。
八 建築物の敷地の地盤面の高さの最低限度及び建築物の居室の床面の高さの最低限度 洪水、雨水出水(水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)第二条第一項に規定する雨水出水をいう。)、津波又は高潮が発生した場合には建築物が損壊し、又は浸水し、住民その他の者の生命、身体又は財産に著しい被害(以下この号において「洪水等による被害」という。)が生ずるおそれがあると認められる土地の区域について、当該区域における洪水等による被害を防止し、又は軽減する観点から見て合理的な数値であること。
九 建築物の形態又は意匠の制限 地区計画等の区域(景観法(平成十六年法律第百十号)第七十六条第一項の規定に基づく条例の規定による制限が行われている区域を除く。)内に存する建築物に関して、その屋根又は外壁の形態又は意匠をその形状又は材料によつて定めた制限であること。
十 垣又は柵の構造の制限 建築物に附属する門又は塀の構造をその高さ、形状又は材料によつて定めた制限であること。
十一 建築物の建築の限界 都市計画法第十二条の十一に規定する道路の整備上合理的に必要な建築の限界であること。
十二 建築物の特定地区防災施設(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第三十二条第二項第一号に規定する特定地区防災施設をいう。以下この条において同じ。)に面する部分の長さの敷地の当該特定地区防災施設に接する部分の長さに対する割合(以下この条において「特定地区防災施設に係る間口率」という。)の最低限度 十分の七以上十分の九以下の範囲内の数値であること。
十三 建築物の構造に関する防火上必要な制限 次に掲げるものであること。
イ 特定建築物地区整備計画の区域内に存する建築物に関して、次の(1)及び(2)に掲げる構造としなければならないとされるものであること。
(1) 耐火建築物等(法第五十三条第三項第一号イに規定する耐火建築物等をいう。ロにおいて同じ。)又は準耐火建築物等(同号ロに規定する準耐火建築物等をいう。ロにおいて同じ。)であること。
(2) その敷地が特定地区防災施設に接する建築物(特定地区防災施設に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)の当該特定地区防災施設の当該敷地との境界線からの高さ(次項において「特定地区防災施設からの高さ」という。)が五メートル未満の範囲は、空隙のない壁が設けられていることその他の防火上有効な構造であること。
ロ 防災街区整備地区整備計画の区域内に存する建築物に関して、(1)に掲げる構造としなければならないとされるものであること又は耐火建築物等及び準耐火建築物等以外の建築物については(2)及び(3)に掲げる構造としなければならないとされるものであること。
(1) 耐火建築物等又は準耐火建築物等であること。
(2) その屋根が不燃材料で造られ、又はふかれたものであること。
(3) 当該建築物が木造建築物である場合にあつては、その外壁及び軒裏で延焼のおそれのある部分が防火構造であること。
十四 建築物の沿道整備道路(幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第二条第二号に規定する沿道整備道路をいう。以下この条において同じ。)に面する部分の長さの敷地の沿道整備道路に接する部分の長さに対する割合(以下この条において「沿道整備道路に係る間口率」という。)の最低限度 十分の七以上十分の九以下の範囲内の数値であること。
十五 建築物の構造に関する遮音上必要な制限 その敷地が沿道整備道路に接する建築物(沿道整備道路に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)の沿道整備道路の路面の中心からの高さが五メートル未満の範囲は、空隙のない壁が設けられたものとすることその他の遮音上有効な構造としなければならないとされるものであること。
十六 建築物の構造に関する防音上必要な制限 学校、病院、診療所、住宅、寄宿舎、下宿その他の静穏を必要とする建築物で、道路交通騒音により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、防音上有効な構造とする必要があるものの居室及び居室との間に区画となる間仕切壁又は戸(ふすま、障子その他これらに類するものを除く。)がなく当該居室と一体とみなされる建築物の部分の窓、出入口、排気口、給気口、排気筒、給気筒、屋根及び壁で、直接外気に接するものに関して、次のイからハまでに掲げる構造としなければならないとされるものであること。
イ 窓及び出入口は、閉鎖した際防音上有害な空隙が生じないものであり、これらに設けられる戸は、ガラスの厚さ(当該戸が二重以上になつている場合は、それぞれの戸のガラスの厚さの合計)が〇・五センチメートル以上であるガラス入りの金属製のもの又はこれと防音上同等以上の効果のあるものであること。
ロ 排気口、給気口、排気筒及び給気筒は、開閉装置を設けることその他の防音上効果のある措置を講じたものであること。
ハ 屋根及び壁は、防音上有害な空隙のないものであるとともに、防音上支障がない構造のものであること。
2 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で建築物の高さの最低限度に係る制限を定める場合において防災街区整備地区計画の区域における特定防災機能の確保の観点から必要があるときは、前項の規定にかかわらず、特定建築物地区整備計画の内容として定められたその敷地が特定地区防災施設に接する建築物に係る当該建築物の特定地区防災施設に面する方向の鉛直投影の各部分(特定地区防災施設に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)の特定地区防災施設からの高さの最低限度が五メートルとされる制限(同項第七号に規定する区域については、当該制限及び同号の建築物の高さの最低限度の数値に係る制限)を定めることができる。
3 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で建築物の高さの最低限度に係る制限を定める場合において遮音上の観点から必要があるときは、第一項の規定にかかわらず、沿道地区計画の内容として定められたその敷地が沿道整備道路に接する建築物に係る当該建築物の沿道整備道路に面する方向の鉛直投影の各部分(沿道整備道路に係る間口率の最低限度を超える部分を除く。)の沿道整備道路の路面の中心からの高さの最低限度が五メートルとされる制限(同項第七号に規定する区域については、当該制限及び同号の建築物の高さの最低限度の数値に係る制限)を定めることができる。
4 特定地区防災施設に係る間口率及び沿道整備道路に係る間口率の算定については、次の各号に掲げる長さの算定方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 建築物の特定地区防災施設に面する部分の長さ 建築物の周囲の地面に接する外壁又はこれに代わる柱の面で囲まれた部分の水平投影の特定地区防災施設に面する長さによる。
二 敷地の特定地区防災施設に接する部分の長さ 敷地の特定地区防災施設に接する部分の水平投影の長さによる。
三 建築物の沿道整備道路に面する部分の長さ 建築物の周囲の地面に接する外壁又はこれに代わる柱の面で囲まれた部分の水平投影の沿道整備道路に面する長さによる。
四 敷地の沿道整備道路に接する部分の長さ 敷地の沿道整備道路に接する部分の水平投影の長さによる。
5 建築物の容積率の最高限度若しくは最低限度又は建築物の建蔽率の最高限度の算定に当たつては、同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、建築物の延べ面積又は建築面積は、当該建築物の延べ面積又は建築面積の合計とする。
6 特定建築物地区整備計画の区域内において法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で第一項第十二号若しくは第十三号の制限又は第二項に規定する高さの最低限度が五メートルとされる制限を定めようとするときは、これらを全て定めるものとする。
7 前項の場合においては、当該条例に、建築物の敷地の地盤面が特定地区防災施設の当該敷地との境界線より低い建築物について第二項に規定する高さの最低限度が五メートルとされる制限を適用した結果、当該建築物の高さが地階を除く階数が二である建築物の通常の高さを超えるものとなる場合における前項に規定する制限(第一項第十三号の制限で同号イ(1)に掲げるものを除く。)の適用の除外に関する規定を定めるものとする。
8 沿道地区計画の区域内において法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で第一項第十四号若しくは第十五号の制限又は第三項に規定する高さの最低限度が五メートルとされる制限を定めようとするときは、これらを全て定めるものとする。
9 前項の場合においては、当該条例に、建築物の敷地の地盤面が沿道整備道路の路面の中心より低い建築物について第三項に規定する高さの最低限度が五メートルとされる制限を適用した結果、当該建築物の高さが地階を除く階数が二である建築物の通常の高さを超えるものとなる場合における前項に規定する制限の適用の除外に関する規定を定めるものとする。
10 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例については、第百三十条の二第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「第三条第二項」とあるのは、「第三条第二項(法第八十六条の九第一項において準用する場合を含む。)」と読み替えるものとする。
11 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で建築物の敷地面積の最低限度に関する制限を定める場合においては、当該条例に、法第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行による建築物の敷地面積の減少により、当該事業の施行の際現に建築物の敷地として使用されている土地で当該制限に適合しなくなるもの及び当該事業の施行の際現に存する所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に適合しないこととなる土地のうち、次に掲げる土地以外のものについて、その全部を一の敷地として使用する場合の適用の除外に関する規定を定めるものとする。
一 法第八十六条の九第一項各号に掲げる事業の施行により面積が減少した際、当該面積の減少がなくとも建築物の敷地面積の最低限度に関する制限に違反していた建築物の敷地及び所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に違反することとなつた土地
二 当該条例で定める建築物の敷地面積の最低限度に関する制限に適合するに至つた建築物の敷地及び所有権その他の権利に基づいて建築物の敷地として使用するならば当該制限に適合することとなるに至つた土地
12 法第六十八条の二第一項の規定に基づく条例には、市町村長が、公益上必要な建築物で用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの及び防災街区整備地区計画の内容として防火上の制限が定められた建築物又は沿道地区計画の内容として防音上若しくは遮音上の制限が定められた建築物でその位置、構造、用途等の特殊性により防火上又は防音上若しくは遮音上支障がないと認めて許可したものについて、当該条例に定める制限の全部又は一部の適用の除外に関する規定を定めるものとする。
再開発等促進区等内において高さの制限の緩和を受ける建築物の敷地面積の規模
第百三十六条の二の六 法第六十八条の三第三項の政令で定める規模は、三百平方メートルとする。
予定道路の指定の基準
第百三十六条の二の七 法第六十八条の七第一項に規定する予定道路の指定は、次に掲げるところに従い、行うものとする。
一 予定道路となる土地の区域及びその周辺の地域における地形、土地利用の動向、道路(法第四十二条に規定する道路をいう。第百四十四条の四において同じ。)の整備の現状及び将来の見通し、建築物の敷地境界線、建築物の位置等を考慮して特に必要なものについて行うこと。
二 予定道路となる土地の区域内に建築物の建築等が行われることにより、通行上、安全上、防火上又は衛生上地区計画等の区域の利便又は環境が著しく妨げられることとなる場合において行うこと。
三 幅員が四メートル以上となるものについて行うこと。
予定道路の指定について同意を得るべき利害関係者
第百三十六条の二の八 法第六十八条の七第一項第一号の政令で定める利害関係を有する者は、同号の土地について所有権、建築物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権若しくは賃借権又は登記した先取特権、質権若しくは抵当権を有する者及びこれらの権利に関する仮登記、これらの権利に関する差押えの登記又はその土地に関する買戻しの特約の登記の登記名義人とする。