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管理受託契約締結前の重要事項の説明について

法第13条に基づく説明(以下「管理受託契約重要事項説明」という。)は、業務管理者によ
って行われることは必ずしも必要ないが、業務管理者の管理及び監督の下に行われる必要があ
り、また、業務管理者又は一定の実務経験を有する者など専門的な知識及び経験を有する者に
よって行われることが望ましい。なお、管理受託契約重要事項説明は、賃貸人から委託を受け
ようとする賃貸住宅管理業者自らが行う必要があることに留意すること。
管理受託契約重要事項説明については、賃貸人が契約内容を十分に理解した上で契約を締結
できるよう、説明から契約締結までに1週間程度の期間をおくことが望ましい。説明から契約
締結までの期間を短くせざるを得ない場合には、事前に管理受託契約重要事項説明書等を送付
し、その送付から一定期間後に、説明を実施するなどして、管理受託契約を委託しようとする
者が契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとることが望ましい。ただし、契約期間中又は
契約更新時に下記2(1)~(11)に掲げる事項の変更を内容とする契約(以下「管理受託契
約変更契約」という。)を締結しようとするときに、管理受託契約重要事項説明を行う場合にあ
っては、説明を受けようとする者が承諾した場合に限り、説明から契約締結まで期間をおかな
いこととして差し支えない。
賃貸住宅管理業者は、賃貸人が管理受託契約重要事項説明の対象となる場合は、その者が管
理受託契約について一定の知識や経験があったとしても、下記2(1)~(11)に掲げる事
項を書面に記載し、十分な説明をすることが必要である。その上で、説明の相手方の知識、経
験、財産の状況、賃貸住宅経営の目的やリスク管理判断能力等に応じた説明を行うことが望ま
しいことから、説明の相手方の属性やこれまでの賃貸住宅経営の実績に留意すること。

法第13条第1項に規定する「管理受託契約を締結しようとするとき」とは、新たに管理受
託契約を締結しようとする場合のみでなく、管理受託契約変更契約を締結しようとする場合も
これに該当するが、管理受託契約変更契約を締結しようとする場合には、変更のあった事項に
ついて、賃貸人に対して書面の交付等を行った上で説明すれば足りるものとする。ただし、法
施行前に締結された管理受託契約で、法施行後に賃貸人に対して管理受託契約重要事項説明を
行っていない場合は、管理受託契約変更契約を締結しようとするときに、下記2(1)~(1
1)に掲げる全ての事項について、管理受託契約重要事項説明を行うこと。
なお、契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない
商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、本条に基づく管理受託契約重要
事項説明は行わないこととして差し支えない。
なお、説明に際しては、別添1の「管理受託契約重要事項説明書」に準拠した書面を用いる
ことが望ましい。
本規定については、法施行前に締結された管理受託契約で、法施行後に管理受託契約変更契
約が締結されたものについても適用されるものであることに十分留意する必要がある。

「管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの」について(規則第31条関係)

「管理受託契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるもの」として賃貸住宅管理業者が管理受託契約重要事項説明書に記載する事項は以下とする。

(1)管理受託契約を締結する賃貸住宅管理業者の商号、名称または氏名並びに登録年月日及び登録番号(第1号関係)

(2)管理業務の対象となる賃貸住宅(第2号関係)

管理業務の対象となる賃貸住宅の所在地、物件の名称、構造、面積、住戸部分(部屋番号)その他の部分(廊下、階段、エントランス等)、建物設備(ガス、上水道、下水道、エレベーター等)、附属設備等(駐車場、自転車置き場等)等について記載し、説明すること。

(3)管理業務の内容及び実施方法(第3号関係)

賃貸住宅管理業者が行う法第2条第2項の管理業務の内容について、回数や頻度を明示し
て可能な限り具体的に記載し、説明すること。
管理業務と併せて、入居者からの苦情や問い合わせへの対応を行う場合は、その内容につ
いても可能な限り具体的に記載し、説明すること。

(4)報酬並びにその支払の時期及び方法(第4号関係)

(5)(4)の報酬に含まれていない管理業務に関する費用であって、賃貸住宅管理業者が通常必要とするもの(第5号関係)

賃貸住宅管理業者が管理業務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費や、空室管理費等が考えられる。

(6)管理業務の一部の再委託に関する事項(第6号関係)

賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を第三者に再委託することができることを事前に説明するとともに、再委託することとなる業務の内容、再委託予定者を事前に明らかにすること。

(7)責任及び免責に関する事項(第7号関係)

管理受託契約の締結にあたり、賃貸人に賠償責任保険等への加入を求める場合や、当該保険によって保障される損害については賃貸住宅管理業者が責任を負わないこととする場合は、その旨を記載し、説明すること。

(8)法第20条の規定による委託者への報告に関する事項(第8号関係)

賃貸住宅管理業者が行う管理業務の実施状況等について、賃貸人へ報告する内容やその頻度について記載し、説明すること。

(9)契約期間に関する事項(第9号関係)

管理受託契約の始期、終期及び期間について説明する。

(10)賃貸住宅の入居者に対する(3)の内容の周知に関する事項(第10号関係)

賃貸住宅管理業者が行う(3)に記載する管理業務の内容及び実施方法について、どのような方法(対面での説明、書類の郵送、メール送付等)で入居者に対して周知するかについて記載し、説明すること。

(11)管理受託契約の更新及び解除に関する事項(第11号関係)

賃貸人と賃貸住宅管理業者間における契約の更新の方法について事前に説明すること。賃貸人又は賃貸住宅管理業者が、契約に定める義務に関してその本旨に従った履行をしない場合には、その相手方は、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、解除することができる旨を事前に説明すること。

賃貸人の変更に際しての管理受託契約重要事項説明の対応について

管理受託契約が締結されている賃貸住宅が、契約期間中に現賃貸人から売却等されることにより、賃貸人たる地位が新たな賃貸人に移転し、従前と同一内容によって当該管理受託契約が承継される場合、賃貸住宅管理業者は、賃貸人たる地位が移転することを認識した後、遅滞なく、新たな賃貸人に当該管理受託契約の内容が分かる書類を交付することが望ましい。なお、管理受託契約において委託者の地位承継にかかる特約が定められておらず、管理受託契約が承継されない場合、新たな賃貸人との管理委託契約は新たな契約と考えられるため、賃貸住宅管理業者は、新たな賃貸人に管理受託契約重要事項説明及び管理受託契約締結時書面の交付を行わなければならない。

管理受託契約重要事項説明にIT を活用する場合について

(1)電磁的方法による提供について(規則第32条、第33条関係)

賃貸住宅管理業者は、賃貸人の承諾を得て、管理受託契約重要事項説明書に記載すべき事項
を電磁的方法により提供することができるものとする。その場合は、次の事項に留意すること。

  • 電磁的方法により管理受託契約重要事項説明書を提供しようとする場合は、相手方がこれ
    を確実に受け取れるように、用いる方法(電子メール、WEB でのダウンロード、CD-ROM 等)
    やファイルへの記録方法(使用ソフトウェアの形式やバージョン等)を示した上で、電子
    メール、WEB による方法、CD-ROM 等相手方が承諾したことが記録に残る方法で承諾を得る
    こと。
  • 管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、出力して書面を作成でき、改
    変が行われていないか確認できることが必要であること。

(2)管理受託契約重要事項説明にIT を活用する場合の取扱いについて

管理受託契約重要事項説明にテレビ会議等のIT を活用するに当たっては、次に掲げるすべての事項を満たしている場合に限り、対面による説明と同様に取扱うものとする。
なお、説明の相手方に事前に管理受託契約重要事項説明書等を読んでおくことを推奨するとともに、管理受託契約重要事項説明書等の送付から一定期間後に、IT を活用した管理受託契約重要事項説明を実施することが望ましい。

  • 説明者及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像が視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施していること
  • 管理受託契約重要事項説明を受けようとする者が承諾した場合を除き、管理受託契約重要事項説明書及び添付書類をあらかじめ送付していること
  • 重要事項の説明を受けようとする者が、管理受託契約重要事項説明書及び添付書類を確認しながら説明を受けることができる状態にあること並びに映像及び音声の状況について、賃貸住宅管理業者が重要事項の説明を開始する前に確認していること

(3)その他

原則として、対面又は(2)に記載するIT の活用による説明が望ましいが、管理受託契約変更契約の重要事項説明については、次に掲げるすべての事項を満たしている場合に限り、電話による説明をもって対面による説明と同様に取扱うものとする。

  • 事前に管理受託契約変更契約の重要事項説明書等を送付し、その送付から一定期間後に説
    明を実施するなどして、賃貸人が変更契約締結の判断を行うまでに十分な時間をとること
  • 賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、電話により管理受託契約変更契約の重要事項説明を
    行ってほしいとの依頼があること
  • 賃貸人が、管理受託契約変更契約の重要事項説明書等を確認しながら説明を受けることが
    できる状態にあることについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を開始する前に確認し
    ていること
  • 賃貸人が、電話による説明をもって当該管理受託契約変更契約の重要事項説明の内容を理
    解したことについて、賃貸住宅管理業者が重要事項説明を行った後に確認していること

なお、賃貸人から賃貸住宅管理業者に対し、電話により管理受託契約変更契約の重要事項説明を行ってほしいとの依頼があった場合であっても、賃貸人から、対面又は(2)に記載するIT の活用による説明を希望する旨の申出があったときは、当該方法により説明しなければならない。

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